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テニ夢企画用

第2章 【人気者の君に妬く】丸井ブン太


やはり立海テニス部部長という地位と穏やかで優しげな所、それに時たまどこか儚げな雰囲気を纏う彼は女子生徒からの人気を絶大なまでに得ている。
テニス部の差し入れだって幸村くん宛のものはとても多い。
そんな彼の恋人だと言われたのが私じゃそりゃ嫌だよねぇ…と女の子達の気持ちは分かる。

私も突然ブン太に恋人が出来た!なんて噂が流れたらやはり嫌だなと思ったぐらいだ。
今のところは嫌がらせなんかもされていないので良いけれど、今後もっと面倒な事に巻き込まれたら嫌だなと思った。

「言わなくて良いのか?」
「何が?」

そんな事を考えていると仁王くんが私にそう告げる。
その言葉の意味を…意図を探りたくて私はジッと彼の瞳を見る。
私の本心を探ろうとしてカマをかけようとしているのか…それとも分かっていてわざとそう言った態度を取っているのか。
両方だろうなと私は仁王くんを見て思った。

「もし何かするなら協力するぜよ」
「珍しい。何か対価に取られたりする?」

私がそう言って笑うと仁王くんも笑う。

「傍から見てる分には面白いからのう」
「いい性格してるね」
「プピーナ」

私が嫌味の様にも取れる返事をすると仁王くんお得意の言葉を発してニヤリと彼は笑った。
こんな風に言っても私の言葉の意図を理解してくれる仁王くんは流石だなと感心する。

「…ブン太、どうしてる?」

私がポツリと呟くように質問を投げかけると仁王くんは「そうさなぁ」と呟いてから答えてくれる。

「いつも通り授業受け取るんじゃないかの?」
「何で疑問系なの?……まさか今日授業サボってるんじゃ」

私が仁王くんをジトッとした目で見ると彼は苦笑した。
サボっているわけではないと言いたいのだろうと察した。

「たまに授業寝とるから周り見てないだけぜよ」
「あぁ、なるほど」

私はその返事に納得した。
サボっているよりは寝ている方が個人的にはまだましだと思ったからだ。

そして暫く2人で無言の時を過ごす。
その時に予冷がなった音が遠くから聞こえてくる。
その音を聞いて私はため息を付いた。

「午後サボったら何か言われるよねぇ…」
「【夢主名前】は言われるんじゃないかのぅ?」
「幸村くんの説教かぁ…」

きっと幸村くんの事だから現状に対して同情はしてくれるだろう。
だからと言って授業をサボる事は別として怒られそうだなと私は苦笑した。
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