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テニ夢企画用

第2章 【人気者の君に妬く】丸井ブン太


「俺以外の…そうだな、真田にでも聞いてみると良いと思うよ。【夢主名前】がちゃんとマネージャーやれてたかどうかって」

そう言って幸村くんは再度優しく微笑んでくれる。
私のマネージャーとしての働きを認めてくれているという事実に私は嬉しくて泣きそうになる。
今までがむしゃらに頑張ってきていたけれど、でもそれは当然のことだと思っていたから、部長としての幸村くんの言葉がとても嬉しくて私は泣きそうになってしまった。

「ありがとう」

涙声の私は今はその一言を言うのが精一杯だった。
でも幸村くんは私のそんな状況もお見通しな様で気にせずにいてくれた。
それが何よりも有難かった。

そして私達は再び2人でテニスコートの方へと歩き出す。
部室に到着するまでに私は目尻に溜まっている涙をどうにかしないとと考えていた。

この時の私は幸村くんからの激励が嬉しくて先程の事なんて頭からすっかり忘れていた。
先程、幸村くんに助けてもらった為に翌日に面倒くさい自体に巻き込まれるだなんてこの時の私は思いもしていなかったのだった――。

***

「ねぇ、【夢主名字】さん!幸村くんと付き合ってるって本当なの!?」
「……はい?」

普通に朝練を終えた私は教室へ続く廊下を歩いていると他のクラスの女の子に飛び止められた。
いつもの様に差し入れのお願いかと思って廊下の隅へと移動してみれば真剣な眼差しで私を問い詰める彼女の言葉に驚いて変な声をあげてしまう。
付き合うって私と幸村くんが?と困惑するしか無かった。

「全然違うけど…。初耳だし、何その変な噂?」

私がそう答えると私に質問してきた女の子が私の目をジッと見つめる。
多分真意を探っているのだろうなと思って私は堂々としていようと彼女の瞳をジッと見つめ返した。

「……そっか。急にごめんね」
「…好き……なんだよね?仕方ないよ」

私がそう質問すると彼女は苦笑した。
それからもう一度私に謝罪をしてくれる。
冷静な子で助かったなと私は安堵した。
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