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「今年より」「春雨は」「旅人の」

第1章 桜の想い出


「おめーはチビのままだろうな」
晋助もすぐに言い返す。
「なんだと。てめーは天パのままだろうな」
「ちげーし、俺は大人になったら超サラサラヘアーになるんだ」
「ぜってー天パのままだし」
言い合うばかりか、頬をつねりあう2人を小太郎が止めに入る。
「こら、止めんか2人とも」
「うるせー。おめーはヅラのままだ」
頬をつねられたままの銀時が言う。
「ヅラではない。桂だ。第一俺は地毛だ」
「大人になったらハゲるかもしんねーだろ。あとなチビ杉、俺さっき鼻ほじったからな」
「汚ねーな。放せよ」
こちらも頬をつねられた晋助がもがく。
と、3人の頭に松陽のげんこつが落ちた。
「ってー」「痛てぇな松陽」「なんで俺も」
「2人とも喧嘩は止めなさい。あと小太郎、すみません。つい一緒にしてしまいました」
松陽は、涙目で自身を見上げる3人に微笑んだ。
「さて、やはりまだ寒いですね。温かいお茶でも飲みましょう。頂き物の羊羹があるんですよ」
その言葉に、来た時とは逆に走り出す銀時。それを追う小太郎と晋助。
駆けて行く小さな背中を見ながら、松陽は苗木に付いた雪をそっと振り払い、つぶやいた。
「早く暖かくなると良いですね」
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