【JOJO・アヴドゥル夢※R18】先生と一緒に【現パロ】
第6章 いい人止まり
「グッド! 次のわたしの相手は誰かな?」
テレンスの兄、ダニエル・J・ダービーだ。
BOX席では、彼とポーカーや麻雀、花札様々なゲームで遊ぶことが出来る。
お金をかけてしまうと法に触れるし、警察のご厄介になるため、かけるのは"魂"というコンセプトだ。
本当にそのまま、魂さえ吸い取られるような白熱したゲームを味わえると有名である。……彼の行うイカサマに目を瞑れば。
「おお……」
ダニエルと目があった。「アヴドゥルさん、どうですかな? ポーカーでも」
ニヤリと笑うダニエルが近寄ってくるが、私は申し訳なさそうに手を振った。
「無理ですよ。私、こういうのは熱くなっちゃうんで……」
「そうですか……残念、……あ、ちょっとチョコ食べます」
唐突にパリパリとチョコレートを食べ始めた彼を横目に、またお酒に視線を戻す。
一気にマジシャンズレッドを飲みほした。
「……やっぱり、ポーカーお願いしていいかな」
「グッド!」
「私の魂をかけよう……!!」
1度、私の魂はごっそり抜かれた方が良いかもしれない。負けるのが前提な言い方だけれどな。
○
気が付けば、私は知らない天井を眺めていた。
知らない窓からは陽の光が差し込み、チュンチュンと小鳥のさえずりが聞こえる。知らない壁掛け時計は朝9時を回ろうとしていた。
知らないベッドに私は寝ている。起き上がろうとすると、ズキィと凄まじい頭痛が……。
吐き気もあり、呻き声を上げると、小さな足音が私に近寄ってきた。
「先生! 大丈夫ですか? お水持ってきましたよ!」
顔を上げると、そこにはパジャマを着た姫がいた。どういうことだ。私は『アトゥムandオシリス』で飲んでいて、ダニエルとポーカーをしていたはず。確か、ぼろ負けして、抜け殻みたいになって、それから、それから……。
「ッ!!!」
とたん、激しい吐き気が襲ってきた。胃から一気にモノが駆け上がってくる。私は吐くまいと手を口に当てると、姫が「これを!」とビニール袋をつけた洗面器を渡してくれた。
おお、恥ずかしい。大の大人が。先生が。生徒の前で二日酔いのリバースとは。
姫は嫌な顔1つせず、それらを綺麗に処分して、私の背中を優しくさすってくれた。
ようやく少しずつ状況が見えてきた。