【JOJO・アヴドゥル夢※R18】先生と一緒に【現パロ】
第6章 いい人止まり
「隠し子騒動でだいぶやられているみたいね? ジョセフから聞いたわ」
そう。ジョースターさんは2ヶ月ほど前に、ひょんなことから隠し子の存在が明るみに出て、ご婦人からだいぶ、こってり絞られているそうなのだ。
テレンスが私に声をかける。
「アヴドゥル様、いつものでよろしいでしょうか?」
「ああ、よろしく頼む」
ビーフィータージン、カンパリ、チンザノベルモットロッソが、氷を入れたグラスに注がれ、軽くかき混ぜられる。そのままだと、ネグローニというカクテルになる。ベルモットは甘いが、ジンとカンパリのほろ苦さも加わり、とたん男性的な味になる。
アルコール度数も25℃以上と高めだが、私の場合はそれを炭酸で割ったスパークリングにして、少し薄める。
テレンスは最後にオレンジを飾り、すっと慣れた手つきで私の前へカクテルを滑らせる。
「マジシャンズレッド、お待たせ致しました」
「ありがとう」
カクテルを受け取り、氷と氷が擦れ合う音を立てながら少し口に含む。……男が酒に逃げる気持ちもわかる。むしろ、男が酒に逃げる理由は大体は女なんじゃないかとさえ思う。
ジョースターさんは、相手の女性とご婦人。私は……あの子。
アルコールがちょうどいい具合に私の頭をぼーっとさせてくれる。
マジシャンズレッドは、炎のように私の体を熱くしてくれた。
「ねぇ、さっきの子、家まで送ってあげたのね?」
ぼふっと私の口から、せっかくのマジシャンズレッドが吹き出てきた。「なぜそれを」
「あんたみたいな男は"危ないから家まで送るよ"って言うでしょう? そして何もヤらずにこうやって帰ってくるのが相場でしょう?」
図星すぎる。返す言葉も見つからない。