【JOJO・アヴドゥル夢※R18】先生と一緒に【現パロ】
第5章 私は何を待っているんだ
彼女からの誘いが無かった、この1週間、彼女のクラスの講義もあった。授業中も彼女と目が合う度に、こんな気持ちになってしまっていた。
咳払いをして、姫に悟られぬように言う。
「連れてた女は、……待ってた人と別の店に行ったよ」
さらに言葉を続ける。
「0時過ぎに、いつも一人で帰っているのか?」
「あ……はい……」
「……待っているから、家まで送る」
これは、女の一人歩きは危ないから、男としてこう言ってるだけなんだ。彼は、また自分に言い聞かせる。……のだが、姫が離れた後に夕方にオーソンで買った避妊具を確認してしまう自分がいた。
「あ…………ッ!?」
ビジネスバッグから覗くオーソンのビニール袋を見て、彼はハッとなる。
「(先週からふらりとオーソンに寄った時にコレを買ってしまっていたが……それは、私があの生徒との関係を受け入れてしまっていることになっているのでは!?)」
ゴンッ! アヴドゥルの頭が机に叩きつけられる。
「(ば、バカを言うな! 皆に言うなど脅迫されたんだぞ。これはあくまでも自己防衛なのだああああ……)」
ゴン! ゴン! ゴン!
そんな彼が視界に入っている客は、異様な視線を向けていたのだった。
モハメド・アヴドゥルは考えるのをやめた。
○
この前まで夏だったというのに、最近の朝晩の気温は、多少体がぶるりと震えるほどだ。私は、彼女を待つためにファミレスの入口前に立っていた。これからどんどん寒くなるのかと思うと、やるせない気持ちになる。
こうみえても、私はかなりの寒がりだ。最近は、夜蹴散らしたと思っていた羽毛布団も朝目覚めれば蓑虫の如くそれにくるまっているのだから。
10月で、多少の冷え込みくらいでコートを着る職員は私くらいかもしれない。そんなに私は暑がりに見えるだろうか? それを見た者は唖然失笑。全く失礼というものだ。旧暦では冬だというのに。