【JOJO・アヴドゥル夢※R18】先生と一緒に【現パロ】
第3章 かっこいい
「1年生か?」
突然、男性に声をかけられ、私はびっくりしてしまう。
振り返ると、ガタイの良い男性が立っていた。
先生だろうか。スーツを着ていて、黒髪の長い髪をオールバックにして、後ろで一つ結びにしている。濃い肌の色が印象的だった。
「今日はオリエンテーションだぞ。スーツで来るように配布物に書いてあったと思うが」
「あ……すみません……」
確認を忘れていましたなんて、言える雰囲気じゃなかった。怒られてしまいそうだし、何よりこの人に気圧されていたから。
……すると、男性は私の持っていたプリントを取り上げ、それをまじまじと確認し、ため息をついた。
「まったくポルナレフめ……最後にこんな小さい字で書くなんて、他にも気付いてない者もいるだろう」
男性は私にプリントを返した。「今日は特別、そのままでいい」
「あ……はい…………」
そう、言われても黒一色で統一されたオリエンテーションに出るのかと思うと、少し吐き気を催してきそうで。
確か、オリエンテーションは講堂で行われるから、綺麗に整列された中で1人白ブラウスかと思うと……。
「貸しておこう」男性が、そう言った。
「え?」
顔を上げると、その人はスーツの上着を慣れた手つきで脱ぎ始めた。
「ッ!」
別に裸になるわけじゃあない。
スーツの黒い上着だけを脱ぎ始めただけなのに、私はなぜか、その仕草にドキリとしてしまう。
そのスーツは私の手の上にポンと置かれた。
「幸い下は黒いスカートだから、それっぽくは見えるだろう。君にとってはでかすぎるが、講堂の時に羽織るといい。……臭かったら、申し訳ない」
「……ありがとう……ございます」
「放課後は職員会議でいないが、研究室を開けておく。3号館の4階だ。勝手に入って構わないから、中に置いといてくれるかな?」
そう言いながら、彼はパチリとウインクして去っていった。
「か、かっこいい……」
私は思わず心の声が出てしまった。
教室に戻って、スーツを見ていると、ポケットに名刺ケースが入っているのに気付いた。勝手に見ちゃダメだよな、と思ったけれど、私は先生の名前が知りたくて、1枚取り出してみた。
「モハメド・アヴドゥル先生……心理学、か」
時間割を確認すると、来週から講義が始まるようだった。