第1章 【アヴドゥル】気になってしょうがないんだ……!
は赤い顔で俯いている。
「私の気持ち……みんな気づいてたんですか……」
「アヴドゥル以外は全員。……分かりやす過ぎてな!」
ジョセフはの頭をわしわしと撫でた。
ははは、と笑う花京院たち。久々に緊張感が解れた気がする。
「問題も解決したみてーだし、そろそろDIOの対策を考えねぇか」
承太郎の言葉にアヴドゥルが口を開く。
「皆、少しと二人にしてくれないか」
ジョセフたちは今後のスタンド使いや、DIOの対策の話をしに別室に行った。ホテルの一室に残されたのはアヴドゥルと、だけ。ソファに向かい合って座っていた。
は今にも噴火しそうなくらい、顔を赤くして俯いていた。
「ばくばくばく」と音を立てる心臓は、潰れて死んでしまうのではないかと思うほど……。
「私がこんなに凄まじく鈍感とは……そのせいで長らく辛い思いをさせたな」
「い、いえ……そんな…………」
顔を上げたとアヴドゥルの目が合う。
……今度は赤い顔で目を逸らしたのはアヴドゥルの方だった。
「こ……こんな気持ちなんだな」
「え?」
「想いを寄せる人と……目を合わせるのは」
「……! は、はい……」
アヴドゥルは立ち上がり、の隣に
座り直した。ぐっと抱き寄せられ、彼の体の温もりがダイレクトに伝わってくる。
ドキドキして死にそうだったのに、その感覚がすぅっと消えていく。感じたのは安心感。そのまま眠ってしまいそうなくらいだった。思わず笑みが浮かんだ。
その幸せそうなを見て、アヴドゥルも同じように笑った。
「私に対して、ようやく笑ってくれたな」
「そうですね……」
「それに、承太郎たちに対しての笑顔とは違うようだ」
は恥ずかしげにアヴドゥルの胸元に顔を填める。すると、彼の心臓部分から「ドッドッドッ」と心拍の激しい音が聞こえた。彼も、同じような鼓動をしていることに幸福感を感じた。
「あー……聞こえる…………よな……?」
「はい……ドキドキと音がします……」
ふふっと笑う。
「……そろそろジョースターさんたちのところに戻りませんか?」