第3章 【アヴドゥル】もしかして私たち入れ替わってる!?
「よくよく思い返せば、はおおらかな女性だった。大抵の事は"いいよ"って許してくれていたよな 」
オレはアヴドゥルを見上げた。
彼と、目が合う。
「こんなにちゃんと女の顔をしているのに、気付かなかった」
でも、と言ってアヴドゥルは言葉を続けた。
「私がお前の気持ちに応えるかどうかは別問題になる。……は手のかかる妹のような存在というか、すぐには切り替えられないというか。変わらず生活指導はビシビシやっていくから、そのつもりで」
「……という事はオレ、アヴドゥルのそばにこれからもいていいってこと!?」
オレの表情は一気に明るくなった。
それを見て、アヴドゥルは目を逸らして「あ、ああ」と小さく声を出した。少し、顔が赤くなっているように感じたけれど、気のせいかな。
「口調も、もうとやかく言わない。はのままでいればいい」
「……うん! わかった!!」
オレは、目一杯アヴドゥルの体を抱きしめた。抱きしめてきたのはそっちの方なのに、彼は「いい加減離れろ」と真っ赤な顔で言っていた。
手のかかる妹ってところは少々引っかかるけれど、一応は女扱いしてくれるみたいだし、オレはそれが1番嬉しかった。
関係が進展するのは、また別のお話。
バイキングで朝食を食べているジョースターさん所に戻ると、オレの満面の笑みを見て「付き合うことになったか!?」と勘違いしていたけど、違うと言うと残念そうにしていた。
でも、アヴドゥルの顔がすごい赤いから……期待してもいいってことでいいかな?
END