第1章 【アヴドゥル】気になってしょうがないんだ……!
アヴドゥルは「そうだな」と、立ち上がるとを見下ろした。そして「は私の彼女だよな?」
「はい……アヴドゥルさんさえ良ければ」
その答えを聞くと、彼はかがんでの小さい顎をクイッと少し持ち上げた。その仕草に彼女は一気に赤面した。慌てる暇もなく、アヴドゥルの唇がの唇に重ねられた。
どのくらい、そうしていただろう。
幸せな時間だった。
ジョセフたちの部屋に戻った時、誰もがの顔を見て……驚いた。
めちゃくちゃに真っ赤なのだ。
ポルナレフが震える声で尋ねる。
「あ、アヴドゥル……お前何したの…………まさかもうセック」
「あて身ッ!!!」
花京院がポルナレフのうなじにチョップを食らわせた。白目を向いて倒れるポルナレフ。
「ぐえっ!!」
アヴドゥルはぽかんとした顔で
「キスをしただけだが」
と宣ったものだから、その場にいた全員が吹き出した。
「言わないでくださいアヴドゥルさん!!」
真っ赤な顔の。
「さすがは熱い男……その手の速さは見習うべきですね」
くすくす笑う花京院。
「そのまま襲っちまえば良かったのにー」
と、ニヤニヤするジョセフ。
「めでたしめでたしじゃあねぇの」
外を見つめる承太郎。
とアヴドゥルは、お互い目線を合わせる。今度はお互い逸らさず、また幸せそうに笑った……。
END