第3章 【アヴドゥル】もしかして私たち入れ替わってる!?
「昨夜話したことが全てだ。あの子は心底お前を愛している。初恋だし、それだけ純粋にお前を想っている」
ジョースターさんはため息を着いた
「だがのぉ……アヴドゥルの気持ちもある。わしは2人がくっつけばなんて思って、に毎晩アドバイスしたり話を聞いておったが浅はかだったかもしれん」
先程まで腹がすいていたが、バイキングの様々な料理の香りに腹が反応しなくなった。しょんぼりしているジョースターさんの元へポルナレフと承太郎が戻ってきた。
「ちゃん、部屋にいなかったぜ!」
「何があったか敢えて聞かねーが……ジジイ、外に出た可能性は?」
「ホテルの部屋全部調べる訳にはいかんしのぉ……それにこのホテルは広すぎだ。隅々探すだけでも1日かかるわい!」
オーノー!とジョースターさんは、また頭を抱えた。花京院がいれば、ハイエロファントをホテルじゅうに張り巡らせて探せるというのに。
……私は、が逃げそうな場所を必死に考えた。……その時、初めてあった時のことを思い出した。
「屋上…………」
そうだ。ニューヨークのスラム街で追い詰めたのはビルの屋上だった。
「屋上?」
とポルナレフが尋ねてきた。
「ああ。間違いないだろう。屋上だけなら、この大きさのホテルでも探し出すのは簡単だ」
私は、エレベーターに向かいながら顔だけジョースターさんたちに振り返らせた。
「私だけで行かせてください。……先に朝飯入れながら待っててくださいよ」
○
ちょっと口うるさいところもあるけれど、一緒にいると楽しいし、笑顔を見ると幸せな気分になるし、真剣な顔を見ると、かっこいいと感じるし、胸がきゅっとなる。
「でも……こんな気持ちになるなら恋も知らずに、アヴドゥルのことも知らないままの方が良かったよ…」
違う意味で、胸がきゅっとなる。
オレは、ホテルの屋上手前の踊り場で体育座りで縮こまっていた。屋上への扉は鍵が閉まっていた。ここは、吹き抜ける風が冷たい。
……ジョースターさんたちは、どうしているかな。オレのこと探しているんだろうな。バイキング食べたかったな。でも、空いていたお腹が無反応だ。