第3章 【アヴドゥル】もしかして私たち入れ替わってる!?
「……あ、汗くせーし風呂は入ったんだけど……髪型どうやって編み込んであーなってるのか分かんなくてさ……」
すごく顔が赤くなっていた。なんとなく、私と同じ状況になったことが伺えた。
「そういう私もそうだ。髪が結べなかった」
私は髪を下ろした状態で来てしまっていた。
「……は? アヴドゥルの方が器用に自分の頭編み込んでんじゃん。アレンジしてくれたらいいのにさぁ」
は、じとっと私を見たが「仕方ねぇか」と言って荒野に目を向けた。
「しばらく外見てたけど、とくに何もなかったぜ」
「そうか……昨日の、敵に遭遇した所に行ってみるか」
は頷いて、私と共に外へ足を運んだ。そんな簡単に敵に会えるとは思えないが、手がかりがない。
不安な気持ちを抱えながら荒野を歩くと、昨日の場所に着いた。その時、目が痛いほどの砂煙が舞った。
視界が広がった時、声が聞こえる。
「ほいほい来ちゃって大丈夫かしら?」
「……そっちこそ」
はニヤリと笑って答えた。
昨日の女スタンド使いが立っていた。
「ま、待て。こんな簡単に同じ場所に姿を現すのはおかしいぞ……! この余裕っぷり……何かあると思え。、気を付けろ」
「ああ!」
私とはお互い頷いて敵を見据えた。
「……流石はモハメド・アヴドゥル。冷静な考察どうもありがとう」
敵はにこりと笑った。
「あなたの冷静だけど熱くって焼けそうなところ、気になってたのよね。逞しい体も好きだわ……」
それを聞いて、2人で「ハァ!?」と声を上げた。の方が声が大きかった。
「この場合、どっちに言い寄ればいいのかしら。アヴドゥルはこっちにいるんでしょ?」
女はゆっくりの体の私に近づき、唇をすーっと撫でる。
スタンドを発現させて、敵をつき飛ばそうとしたが、全く体が動かせない。自分の体じゃあないみたいに動かせない。いや、確かに自分の体では無いのだが、まるで金縛りのようだ。
「でも、これだと女同士みたいになっちゃうわね。私、恋愛対象は男なの」
「やめろ! てめぇ……! ぶっ殺すぞ!! いや、殺す!!!!」
私の体のが怒鳴った。
……だが、一瞬で彼女の表情が青ざめる。同じように動かせないのだろう。