第3章 【アヴドゥル】もしかして私たち入れ替わってる!?
もう部屋は目の前だ。お互い頷いて、部屋のドアをノックした。
部屋の向こうでは、ドアスコープから私たちを確認しているのだろうか、少し遅れてドアが開く。
開けたのはジョースターさんだった。
「おかえり。あまり遅いからスタンド使いにでも襲われたんじゃあないかと思って心配したぞ」
安心したように言う。
「…………」
「…………」
無言の私とに対して、怪訝そうな顔をした。「何かあったのか?」
「い、いいえジョースターさん。何もありません」
ハッ! 私に緊張が走る。……体はだ。ジョースターさんは、彼女とはかけ離れたその口調を聞いて、あんぐりと口を開いた。
「な、……何にもなかったぜー」
必死にの口調を真似た。
「(私……とても恥ずかしいです……ッ)」
は、オホンの咳払いをして、買い出しの品を机の上にドカドカと置いていく。水、食料、日用品その他もろもろ。
「ありがとなアヴドゥル!」
私の体のにポルナレフが、肩を抱いてポンポン叩いてくる。
「俺、行きたくなかったから助かったぜ!」
「触んじゃねぇ」
が言う。ぽかーんとなるポルナレフ。
私は思わず凄まじい眼光で彼女を見た。
は引きつった笑みで「……おぉ……疲れてたんだ」と言うのが精一杯そうだった。
部屋には、ジョセフと承太郎とポルナレフとイギーがいた。花京院はンドゥールに目をやられて入院中である。
イギーが部屋の隅から現れ、の体の私に近寄ってくる。2人はいつも仲が良いからな……。
しかし、イギーは「ウウ……」と唸り後ずさった。
「喧嘩でもしたか?」
ジョースターさんが笑いながら、私に聞いた。
「お、おかしーぜ……あは、ははは」
すると、イギーはくるりと振り返り、私の体の姿のを見上げる。彼は、ぴょんぴょんと彼女の体をかけ登り、肩に座った。
と私の入れ替わりを知らない一行は、皆同じように驚いた様子だった。
「(イギー……と私が入れ替わっているのを理解している……?)」
犬の彼なら聞いてくることもないし、答える必要は無いだろう。は、ふふっと笑ってイギーの頭を撫でた。
「んだよ、ちゃんからアヴドゥルに乗り換えか? いつの間にか仲良くなっちゃって」