第3章 【アヴドゥル】もしかして私たち入れ替わってる!?
彼女が珍しく弱々しい声を出す。
「なぁージョースターさんには相談しようぜ……」
「そうしたいのはやまやまだが、ダメだ。さっき言われただろ。誰かに言うと魂が体に定着されて元に戻れなくなると」
「アイツの嘘かもしんねーじゃん!!」
「……もし本当だったら?」
私は彼女をぎろりと睨む。それを言われ、うっと呻くは、ため息をついて「わかったよ」と吐き捨てるように言った。
「……でもさでもさ、他の奴らに入れ替わってるって悟られてもダメなわけ?」
「だめだろうな。もし聞かれて、そうだと答えた時にジ・エンドだろう」
その時、ハッとなる。
「ス、スタンドは!?」
「スタンドは……生命エネルギーが作り出す……ってことは……」
お互い頷いてドン! とスタンドを発現させた。
の体からマジシャンズレッドがボワッと姿を現した。
私の体からはのスタンドの姿が現れた。精神も綺麗そっくり入れ替わってしまっているわけだ……。
「これでは皆の前でスタンドは使えないぞッ!」
「ちょー最悪じゃあねぇーかー!!!」
悲鳴は悲しく荒野にこだましたのだった。
そう……ここからは私と言っても姿は、と言っても姿は私、モハメド・アヴドゥルという訳の分からないことになるのだ……!
○
歩きづらいと序盤は言っていただったが、ホテルに着く頃は、私も同様に歩いたり走ったりはできるようになってきた。慣れって怖い。
今は私たちはエレベーターを待っている。は、買い出しの大量の袋を抱えながら肩を落とした。
「ふつー女子にさぁ……こんなにたくさん持たせる?」
「お前を女だと思ったことは無い」
「あっそーーかよ」
ふん、と顔を背ける。
荷物は大量だが、は私の体のため楽に持つことは出来ていた。
私は、あまりに非力なの小柄な体に心底驚いた。なので、包帯など軽い荷物を持っている。
が顔を赤くして「あっ!」と叫ぶ。
「アヴドゥル!! 風呂とかトイレとか着替えとか……どうすれ……ば……」
「普通にすればいいだろ」
「オレは女だぞッ!」
「一応はな」
「ばっばかてめぇ……! 男のしっこのやり方とか知らねぇし!!」
「しっことか言うな」