第2章 【アヴドゥル】恋占いをお願いできますか
「やあ、」
確かに目の前に承太郎はいた。けれど、この声は……承太郎じゃあない!!
恐る恐る、視線を下に動かすと……。
「ようやく開けてくれたな?」
承太郎の足元にしゃがみこむ……モハメド・アヴドゥルがいたッ!!
「んなあああぁぁぁッ!!!!」
私は悲鳴をあげて扉を閉めようとしたが、アヴドゥルさんがしっかりドアを掴んでいて閉めることができなかった。
私は、いてもたってもいられず、部屋の奥へと逃げてベッドの布団に潜り込みました。
「すまないが承太郎。少しと2人にしてくれないか」
「ああ……」
ふ、ふ、2人!?
それでは本当に恋が終わってしまうなのです。私は死にたくはありません。でもさようなら、私の恋。恋のお葬式をあげさせてください……。支離滅裂な思考回路は、ベッドの傍から聞こえた「」と呼ぶ声にプッツリ切られてしまいました。
「、出ておいで」
「嫌ですー!」
「昨日の恋占いが原因か?」
「うっ…………」
もう、アヴドゥルさんに顔を合わせてしまった。近寄ってしまった。彼の占いは、お店でやっていた時から見ていたから、よく当たることを私は知っています。
恋は終わってしまうんですね。
すると、ギシっ……とベッドが軋んだ。
誰かもう1人乗っかっているような……?
「(と、言うより私の上に乗ってません!?)」
え? まさか? と思いながら恐る恐る布団から顔を出すと。
「やあ」
アヴドゥルさんが覆いかぶさるように私の上にいました……。