第2章 【アヴドゥル】恋占いをお願いできますか
「なんじゃアヴドゥル! お前、何か知っているんじゃあないのか?」
「い、いいえ」
「怪しいのお」
迫ってくるジョースターさんに手を焼いていると、部屋にポルナレフが入ってきた。
彼はやれやれと肩を竦めて首を振る。
「俺でもダメだったぜ。女の子の日こじらせてるんじゃあねーの?」
「顔は出したか…………?」
ジョースターさんを押さえながら、私はポルナレフに尋ねた。ゴゴゴゴゴ……と、どこからともなく音が聞こえてくるようだ。
「ああ。ドア少し開けて、今日は出ないです! って言ってすぐ閉じやがったけどな!」
と言い、あくびをするポルナレフ。
ジョースターさんが「もうアヴドゥルしかおらんぞ」と呆れたように言った。
花京院も、承太郎も、ジョースターさんも、ポルナレフにも顔を出した。残りは私と聞かされ、心臓が跳ね上がった。
「私に恋占いをお願いできますか!?」そう、私に言った彼女の顔が浮かぶ。
そして、私は彼女の宿泊する部屋に向かった。
○
「、出てきてくれないか」
コンコンとノックをしながら声が。
! ついに来やがったのです!
私の想い人モハメド・アヴドゥルが!!
返事をせずに、ドアスコープから彼の姿を確認して、私は施錠したドアの前に立つ。今日は出会ってしまったら最後! 運勢は真っ逆さま! 恋は終わってしまうのです。
しばらくすると、声は聞こえなくなり、5分後くらいに承太郎の声がした。ドアスコープから確認すると、1人で彼が立っていた。
「、いい加減出てきな。怒るぜ」
う……承太郎はホリィさんの事があるから、強くは出られない。でも、出発は明日だし、せめて顔は出して断りを言おう。
そう思ってドアを少し開けた。