第2章 【アヴドゥル】恋占いをお願いできますか
ではの想い人は花京院ではないのか、なんて呑気なことを考えている私がいた。誰にも言ってないがに好意はあるし、可愛いと思っていたからな。
ついついイタズラ心で「差し支えなければ誰かお聞かせ願おうか」なんて言ってしまって、あの後は不機嫌な様子だったからな。こんなブ男が行ってしまっては、顔を出して唾を吐かれるのがオチだろう。あ、自分で言って悲しくなってきた……ッ。
「おい、アヴドゥル……通るぜ」
承太郎が入ってきた。
入口前に立っている私を避けて、ドカッ! とソファに座った。
「やれやれだぜ」
「オーマイゴッド! 承太郎でもダメじゃったかー!!」
ジョースターさんがムンクの叫びのようなポーズをしながら叫んだ。
「今からの話し合いは全員いる状態でやりたいからのお……」
「顔は少し出しやがったが、出ないと言い張るばかりだ。……アヴドゥルの炎をくらっても出ねぇだろーぜ……」
不機嫌そうにタバコを吸う承太郎。
「(承太郎にも顔は出したか)」
ジョースターさんが言う。
「わしも門前払いだったしのぉ……顔も出さずに篭もりおって」
「!? ジョースターさんには顔を出さなかったんですか」
「そうだが?」
なんと、まさか禁断の恋!?
ショックだ……。
年齢は孫と爺ほど離れているぞ。いや、恋に年齢は関係ないが……ダメだ、。ジョースターさんには奥様がいるんだぞッ!
そんな悲しい恋があるか……。
すると、ジョースターさんが髭を撫でながら言った。
「朝は普通に出てきたんだがなぁ。朝昼晩は部屋でルームサービスを取っていいかと聞かれてな」
……と、いうことはジョースターさんには朝、顔を出していたのか。
「徹底して外には出ないつもりなんだなは。確かに朝食の時、姿は無かったし……今日はどうしたんだろう」
花京院は難しい顔をして頭を抱えた。
「僕のハイエロファントを使えば外に引きずり出せますが? 顔を出した時に……」
「もうそれしかないな!」
ガハハと笑うジョースターさんに私は大きな声で「それはダメですッ!!」と叫んでしまった。かなりの音圧で。