第2章 【アヴドゥル】恋占いをお願いできますか
「(いつ見ても凛々しいですね)」
ついつい見とれてしまいます。
そして、タロットカードを両手で時計回りにぐるぐる混ぜ、アヴドゥルさんの手はピタリと止まる。
カードを1つにまとめて、横向きに置いて、占いは本格的に始まりました。
「ふむ……そうか……なるほどなあ」
アヴドゥルさんはそう言うと、私の目を見て言いました。
「明日は、想い人に近寄らない方がいいんじゃあないかな。顔も合わせない方がいい。恋は終わると暗示が……」
「えぇっ!?」
「差し支えなければ誰かお聞かせ願おうか。力になれるかもしれんぞ」
いたずらっぽく笑うアヴドゥルさん。私の顔はまっかっかになってしまい「言える訳ありません!」とぷいっとそっぽを向いてしまいました。こんな反応されるなんて、私、望み薄いではありませんか! 切ないやら悲しいやら。
今は、旅の途中のホテル。天候の関係で出発は明後日。明日、私はがんとして自室から出ないことに決めました!
○
翌朝、私はジョースターさんと承太郎の部屋に呼び出された。ポルナレフも花京院も、も呼ばれているようだ。きっと、これからのスタンド使いやDIOの対策の話し合いだろう。
「ここだな」
部屋番号を確認してノックをすると、驚いたことにジョースターさん、花京院がバンッ! とドアを開けてきた。
驚いた様子の私を見て、花京院が重々しい表情で言う。
「が部屋から出てこないんですよ」
「部屋から出ないって…………」
あ! となる私。思い当たるのは昨日の恋占い。
「僕が行った時は、少し顔を出してくれたんですけど……今日は外には出ないの一点張りで。新手のスタンド使いに襲われてなかったらいいんですけどね」
「ま、まて。花京院に顔を見せたんだな」
「? ああ……」