• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第6章 夏の終わり


その晩、よく眠れなくて。
エアコンのある部屋に、寝る場所を変えてもらってたけど、なんだか眠れなかった。

しょうがないから、台所に飲み物を取りに行く。
水でも飲んで落ち着こう…


翔にいがあんな顔するの初めてみた。

いつも会うときは、ニコニコして…
おじさんが、嫁も貰わないと堂々と悪口みたいなの言ってても、笑って流してるような人だから。


それに…
あの日、あんなに…


そこまで考えてブンブンと頭を振って、残像を追い出した。

だって、今日まで翔にいは凄く普通で…
きっとあれは夢だったんだって…

心のどこかで、でも…
もしもふたりきりになったら、また…って思ってたけど

でも昨日だって何もなかった。
きっとあれは、夢だったんだ。


台所でコップに水をくんで、一気飲みした。

「はぁ…」

スマホのライトを頼りに、もう一杯水をくむ。
きゅっと栓を締めると、また水を飲み干した。

「もう…東京帰ろっかな…」

もう、ここに居ても、あんなこと起こらない…

ガラスのコップをシンクに置いて、振り返った。

「わっ…」

台所の入り口に、翔にいが立ってた。
シンク横に置いたスマホのライトが、ぼんやりとその姿を照らしてた。

白いシャツに、白いズボン。
手には、バスタオルを持ってて、床についてしまっている。

シャワーでもしてたのか、髪はまだ濡れて雫が滴ってた。

しどけなく入り口に寄りかかってた翔にいは、俺を見て微笑む。





「…おいで…」





/ 831ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp