第6章 夏の終わり
白い脇腹の皮膚も、一緒に笑ってる。
「おまえ、大学生なのにそういうの詳しいのな…」
「え…だって、街コンとか行くし…」
「へえ…今じゃ、出会いもネットで調べるのか…」
「いいじゃん…出会いないんだから…」
「おまえ…日本一出会いまくりの大学生のくせに何いってんだ」
「翔にいこそ…まだ三十路なのに、おっかしーの…ネットくらい使えよな…」
「うるせー。おじさん扱いするな」
ごろんとまた身体を返して、俺の方に手を伸ばしてきた。
ぺちっとおでこを叩くと、のそりと身体を起こした。
「アイスでも食うか」
立ち上がって座敷を出ていった。
その足音は、軽い───
あれは…
この家に来た、木曜の夜…
遅くまでねえちゃんとこのガキどもがはしゃいで寝なかったから、布団に入ったのが夜中だった。
昼間は、まだおじさんとこのガキどもが居たから、遊び相手にならずに済んだが、問題は夕飯後だった。
俺はもう成人してるのに、おじさん一家が帰っていったら、一番年が近いからって遊び相手にさせられて…ゲンナリ。
一刻も早く東京に帰りたかったが、肝心の法事が土曜日で…
坊さんの都合がどうしてもつかなかったんだと。
連日、葬式やらなにやらで。
逆によく土曜日空いてたよな…
まあ、そのへんが都会と田舎の空気感の違いなのか…
そんなことを思いながら、割り当てられた部屋で一人寝ようとしていた。