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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第6章 夏の終わり


畳に投げ出してる腕は、また一回り細くなった気がする。
まるで、女みたいに細い。


三年ぶりに、ここに来た時…

玄関まで俺たちを迎えに出てくれた翔にいの姿が
儚くて、壊れそうで

俺よりも背も高いし、体格だっていい
なのに…

手首は俺よりも細くなっていた


「翔にいこそ…」
「ん?」
「…なんかあったんじゃないの…?」
「はあ?」

前に来たときより痩せてるもんだから、みんな心配した。
一人暮らしだから、栄養偏ってるんじゃないの?ってうちのかあちゃんに言われて、苦笑いしてた。

「仕事…とか…?」
「ええ…?別に…役場なんて3年経てば部署も移動になるしなあ…そんなストレスなんてないよ?」
「じゃあ…女?とか?」
「はあ…?なにそれ…」
「振られたとか?」
「いねーよ…そんなもん。もう…何年も…」

こんな過疎化した田舎じゃ、公務員だって言ったって嫁さんだって来ちゃくれねえ。
おまけに仏壇だ墓だと、なにかと煩い本家だ。

もう半ば諦めてると翔にいは笑いながら言った。

ごろんと笑いながら上を向いた。
白いシャツがはらりとめくれて、腕よりも白い脇腹が少し見えた。

どきっとした。
あんまり白くて…

「……嫁、貰いなよ……」
「えー?」
「公務員で、介護する親ももういないし…条件いいんだからさ。お見合いサイトとか登録しなよ」
「おまえ、この前からなにいってんだぁ…?」

腕を目の上に載せながら、くっくっくと笑ってる。

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