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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第21章 1997年6月17日


ニノと相葉ちゃんに引っ張られるように、代々木公園に入っていった。

「お、俺は帰るよ!」

だってニノがせっかく相葉ちゃんとふたりきりになれるチャンスなのに、俺どう考えてもおじゃま虫でしょ。

「いいから!いいから!風間ぽん、俺達をかばったせいで今日稽古できなかったんだからさ!」

俺の腕を引く相葉ちゃんは馬鹿力で、引きずられるようにあとについていった。

「ここでいいかな?ニノ」

人がぜんぜんこない一角があって、そこは照明がぼんやりと当たる薄暗い場所だった。
木に囲まれてるけどベンチとか東屋なんかもなかったから、カップル(死語)とかもいないし、練習するにはちょうどいい空間だった。

「うん、ここにしよう」

なにか思い詰めた顔をしたニノは頷くと、背負っていたリュックを地面に置いた。
そしてリュックを開けると、MDウォークマンとミニスピーカーを取り出した。
さっきもらった仮曲の入ったMDをウォークマンにセットしてコードを繋いで、即席で音響もセットできた。

「あの…俺…」
「さ!やるよ!3人いれば、思い出せるでしょ」

ニノの声が力強く響いた。

「い…いいのかな…」

なんか俺、思い切り場違いな気がするけど。

「よし!やろうぜ!風間ぽん!」

相葉ちゃんにドンと背中を押されて、やるしかなくなった。

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