第20章 こちらアラシノ引越センターの…②
潤と俺と大野リーダーの3人で、今日回収した現金の確認をしていたら、また裏口から誰か入ってきた。
「お疲れさまです」
「おー、お疲れ。もうちょっとだから待ってて二宮くん」
「すいません、邪魔して」
ぺこりと頭を下げたのは、配車担当の二宮くんだった。
今日は遅くなりそうだから、先に帰していたんだ。
誰かが飲みに行くぞと連絡したんだろう。
現金を数え終わると、今日の大野リーダーの業務は終了した。
「はい、お疲れ様!外の作業終わってたら、上がっていいよ」
「お疲れ様でした!すんません、時間食って」
「いいって。大野くんのせいじゃないし」
「ありがとうございます。じゃあお疲れ様です!」
ペコリと頭を下げると、キャップを被った。
そのまま二宮くんの方へ一直線に走っていく。
「おまえ来ちゃったの?」
「晩飯作るの面倒だったんだもん。いいでしょ?お風呂は洗っておいたよ」
「さんきゅ。じゃあ行くかあ」
「ん。おつかれさま」
俺達が夫婦だって知ってるようで、なんの遠慮もなく新婚夫婦のような会話をしている。
可愛い奴らめ。
「お疲れ様でした!」
「お先失礼します!」
「お疲れー」
「飲み過ぎんなよー」
可愛い二人は、事務所の外に駆け出していった。