第20章 こちらアラシノ引越センターの…②
真剣な目をした潤の顔が近づいてくる。
相変わらず濃い顔だなと思って少し笑えた。
目を閉じると、あの日の青空が瞼に蘇ってくる。
「俺も…ずっとこうしたかった」
熱い唇が俺の唇に触れた途端、電流みたいな快感が身体を貫いた。
「ふぁ……」
勝手に心臓がバクバクいって、息が上がる。
キスだけでこんなになったことは、あの日以来で。
やっぱり俺はあの日から…ずっと認めることができなかったけど。
潤のこと、すきになってしまっていたんだって。
そう、思う。
何度も角度を変えてキスされて。
唇だけじゃなくて、全身…いろんなとこ隅々まで。
いつの間にか俺だけ裸になってて。
潤はまだバスローブを着込んでる。
俺もなにか潤にしたいのに、何もさせて貰えなくて。
やっと潤のバスローブを握りしめた頃には、くたくたに蕩けさせられてた。
「俺にも…なんかさせろ」
「いいよ、そんな」
「なんで…俺もおまえのこと気持ちよくしたい」
「これから、してもらうからいいよ?」
「……?」
にやりと笑うと、潤はコンビニの袋から何か取り出した。
ゴムとか、ローションまで。
いつ買ったんだよ。
つかなんでそんな嬉しそうなんだよ。
「…もしかして…俺が下…?」
「だって翔、もう立てないだろ?」
悪魔のような顔をして、潤は笑った。
「うっそ…だろ」