第20章 こちらアラシノ引越センターの…②
「んじゃ…もっと気持ちよくなってみる…?」
「え……」
どうやって?
「俺ね、翔」
座ったまま俺のこと見下ろした。
みたこともない優しい目をしてた。
こんな顔の潤、見たことなかった
「ずっと翔としたキスのこと忘れられなくて」
「…そんなの俺だって…」
「ふふ…嬉しい」
俺の前髪を掻き上げると、額にちゅっと音を立ててキスした。
「…東京離れたのは…大学終わっても帰ってこなかったのは…次に会ったら、翔を押し倒す自信しかなかったからなんだ」
「そりゃ…物騒だな…」
混ぜっ返すと、破顔した。
「だからさ…いろんな男と寝たよ」
「え…?」
「翔のこと、忘れようと思ったんだ……」
なんだか、胸の奥がチリチリとした。
「なんでそんなことすんだよ」
低い声が出てしまった。
我慢しないと怒鳴りつけてしまいそうだった。
…これって、嫉妬なのか?
「翔に嫌われたくないだろ…?」
チリチリが一瞬で熱い塊に変わった。
胸が押しつぶされそうな息苦しさ。
「そんなことすんなよっ…自分を大事にしろよっ…バカ野郎!」
潤のバスローブの襟首を掴んで抱き寄せた。
どさりとベッドに倒れ込んできた潤を、更に強く抱きしめた。
「…だからさ」
「なんだよっ!?」
ぎゅっと潤も俺に抱きついてきた。
「翔、俺とセックスしてくんねえ?」
「するよっ!……え?」
え?