第20章 こちらアラシノ引越センターの…②
「俺のものって、印…つけてやった」
「え……?」
何を…言ってるんだ、こいつは。
「わかんねえ?キスマーク、つけたからな?」
トントンと俺の首筋を人差し指で突いた。
「いや、それは…わかるけど…」
「だから今日から翔は俺のものな」
「んなっ?」
飛び起きようとしたら、また抑え込まれて。
潤の体が俺の上に覆いかぶさってきた。
ぎゅううっと抱きしめられて。
なんだか力が抜けた。
「…あの時したキスが…」
「…え?」
「学校の屋上でしたキスが一番気持ちよかった」
そう言うと、潤は体を起こした。
至近距離で俺のこと見下ろしてる。
その目は熱くて、静かで。
これは真剣なときの潤の目だ。
絶対にからかっちゃいけないときの…
「翔は?」
「へ?」
「あのときのキス、気持ちよくなかった?」
「それは…」
気持ちよかった記憶しかないから…
だから俺、ここまでついてきたんじゃないか。
なぜかわからんとかいいわけしながら。
ちゃっかりあのときの記憶はしっかりはっきり思い出してたから。
「俺ね…翔もそうだといいなって思ってたんだ」
ふふっと笑うと、顔が近づいてきた。
それに俺は抗うことができず。
また俺達の唇は重なった。
「ねえ…どうだったの…?」
唇をつけたまま、潤がささやく。
「そ…れは…」
頭のなか、潤の唇でいっぱいになってよくわからない。
でもきっと──