第20章 こちらアラシノ引越センターの…②
なんだか調子が狂う。
潤は、ぐびぐびとビールを飲むと、缶を小さなサイドテーブルに乱暴に置いた。
「…また、間接キスした」
「え?」
「二回目だな」
そう呟くと、顔をこちらに向けた。
「もう、高校生のときの俺とは違う」
まっすぐ俺のこと、真剣な目で見てる。
「あ、ああ…」
意味のわからない迫力に押されて、あまりうまく言葉がでてこない。
そりゃ…あの頃に比べたら、体がデカくなって。
胸板も腕も倍くらいにはなってる。
でもそれはお互いで。
潤だけの変化じゃない。
「翔は…相変わらずみたいだけどさ…」
「え?」
「俺は今日、はっきりわかったんだ」
「な…なにが…?」
手が伸びてきて、俺のバスローブの襟を掴んだ。
「え?」
次の瞬間、がばっと脱がされて。
上半身裸になってしまった。
「ちょっ…」
なにすんだって言おうとしたら、ベッドに押し倒されて。
首筋に潤が吸い付いてきた。
「ひゃああっ…」
驚きすぎて変な声が出た。
「じゅっ…潤っ…」
押しのけするようとしたけど、びくともしなくて。
「やっ…おまえっ…なにしてんだよっ…」
「……」
無言で痛いほど吸い上げられた。
キスマークつけようとしてる!?
「ちょっとっ!潤っやめろよっ…」
そんなトコに付けられたら、シャレになんない。
もう一回ぎゅっと押したら、今度はすんなり離れていった。
「へへ…へへへ…」
「な、何笑ってんだよ!?」