• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第20章 こちらアラシノ引越センターの…②


「翔ー?どしたの?」

シャワーをしていた潤が帰ってきたのにも気づかなかった。

「あ、ごめん。呼んだ?」
「ううん。お次どうぞって言ってんのに返事なかったからさ」



なんで…こんなことになっているのか。



「あ…じゃあ、シャワー行ってくる…」
「どーぞ。俺、飲んでるからごゆっくり」
「ああ…うん…」

潤はバスローブのままベッドに座ると、さっき買って冷蔵庫に仕舞っていたビールの缶を取り出した。

「じゃあ、行ってくる」
「へーい」





あれから、13年──
今日は、会社の歓迎会だった。


大学を卒業した俺は就職をしたものの、最近退職してしまった。
というのも、高校の時の潤みたいなことをしてしまって、居づらくなって退職する羽目に陥ってしまったのだ。

なんでああいうことをしてしまったのか、自分でも良くわからない。
でもどの女と付き合っても、なんだかしっくりこなくて。

それになんだか知らないけど、大学から俺はモテるようになった。
高校の時は1年のときまで身長が極端に低かったから、あまりモテた試しがなかったんだが。

だから、あのときの潤みたいにひっきりなしに女に告白されて、常に彼女がいるって状態が普通になってた。

だけど…どの女にも結局執着することができなくて。

社会人になってもとっかえひっかえしている内に、きがついたら課内の女の社員全員に手をつけてしまって。

女たちの無言のプレッシャーに、いたたまれなくなって退職したというわけだ。

/ 831ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp