第20章 こちらアラシノ引越センターの…②
なにいってんだと思ってたら、潤が俺のこと突き飛ばして。
思いっきり地面に倒れ込んだ。
ぐるんと回った視界いっぱいに青空が見えた。
「ちょっ…」
起き上がろうとしたとこを、また押されて地面に倒れた。
「してやるって言ってんだろ」
聴いたこともない、低い声。
ヤバいと思ったときには遅かった。
「やめろって…!」
「うっせーっ」
潤は俺の体の上に馬乗りになって俺を見下ろした。
「洒落になってねえよ!」
「おまえが茶化すからだろ!?」
だめだ、完全にブチ切れてる。
「ちょっと…落ち着けよっ」
逃れようと振り上げた腕を押さえられて、顎を掴まれた。
「ふざけんっ…」
いい切る前に、潤の濃い顔が目の前に迫った。
思わず、目を閉じてしまった。
「んんっ…」
顎を掴まれたまま、強引に唇を奪われた。
逃げようとしたけど、存外強い力で抗えなかった。
「んーっ…」
必死に唇を割られないように力を入れて抗議してたけど、そのうちそれもままならなくなった。
意外にも、潤の唇が熱くて柔らかくて気持ちよかったから。
「じゅ…ん…」
熱い唇の隙間から舌が出てきて、俺の唇を割って入ってきた。
「ちょっ…まっ…」
待てって
舌まで入れることないだろ
こんなの、おかしい
おかしいって…
「ん…」
やば。
うまいかも…
入ってきた舌は、ねっとりと俺の舌を捉えて絡まってくる。
そうかと思ったら、口の柔らかい粘膜を舐めて口角を舐ってくる。
幼馴染に…しかも男にキスされてるって事実を忘れてしまうほど、気持ちよかった。