第20章 こちらアラシノ引越センターの…②
「でも、すげえよな」
「なに?やりやりちんちんが凄いの?」
「ちげえって…こんな噂になってんのに、潤に寄ってくる女が途切れないのが凄いなって」
「ああ…なんか噂になってんだって」
「なにが?」
「俺がその…うまいって」
ばつが悪そうにサンドイッチの袋を畳んでいる。
「うまいって…え?セックスってこと?」
「まあ…全般…その、キスとかもうまいって。前の彼女に言われた。噂通り上手いって」
「へえ…女子の間でそんな噂になってんだ。恐ろしいな女って…」
「ホントだよ…この前別れた子だって、それに期待してたんだって。でも思ったよりも良くなかったとかなんとかいって振られたんだよ!?一体人を何だと思ってんだよな!?」
…そりゃ、普段のおまえを見てたら、そう言われても仕方ないんじゃ…
「何その顔」
「生まれつきですがなにか?」
「なんかあるなら言えよ、翔!」
「えー?そんなに上手いんなら、俺もしてもらいたい♡」
ぶりっこ(死語)みたいなポースをして、上目遣いで潤を見てやったら、ブチ切れられた。
「てめえ、ふざけんなよ!?」
「な、なんだよ。ふざけてねえよ。俺、そんな上手いキスなんて経験したことねえもん」
「んじゃしてやるよ」
「は?」