第19章 こちらアラシノ引越センターの…①
かざまぽんは頭がよくて、まずニノちゃんのロッカーに合う鍵を探すのに、古そうな鍵をより分けた。
だってニノちゃんのロッカーすごく古いしね。
そこから、違う古いロッカーと鍵が合うかを手分けして試していって、ものの10分でニノちゃんのロッカーを開けることが出来た。
「なんか、かざまぽんって凄いんだね…」
「っていうか稲葉さん、そのかざまぽんっていうのはなんでしょう?僕の名前は風間であってぽん…」
「え?なんか、かざまぽーんって感じじゃない?」
「…誰が?」
「君が」
かざまぽんはキョロっと目をまん丸くさせると、ちょっと面倒になったって顔をした。
「あ、今、ちょっと面倒になったって思ったでしょー!」
「え、嫌だなーそんなことないですよ?」
「すっごい棒読みっ!」
「そ、そんなことはどうでもいいでしょ!?早く中、中!」
かざまぽんに言われてなかったら、うっかりするとこだった!
猫ちゃんがロッカーに閉じ込められてたんだ!
ニノちゃんのロッカーを開け放つと、ぷーんと猫くさい臭いがした。
「中でうんこしちゃってるかも…!」
糞尿が体についてる場合、体温を奪って体力が削られてしまう!
慌てて紙袋を探すと荷物の奥のほうに、隠すようにあった。
「これだ!これ!早く開けて…」
「ああっ…はいっ!カッター!」