第18章 こちら、アラシノ引越センター!
「ぷはぁ…うめえ…」
さっき、ろくに飲めなかったことを思い出した。
それとともに、さっき玄関→このベッドの上であった事も思い出した。
「……!!」
俺ったら…!
俺ったら、なんてことを…!!
しかも自分ひとりでスッキリして、すっかり今の今まで忘れてるとは、なんと都合のいい脳みそしてんだ!
何事もない風を装ってビールを飲んでいるが、俺の心の中は嵐が吹き荒れていた。
落ち着くために、ビールを飲み干した。
「おまえ、ペース早くね?」
「お……大野、さん…?」
「ん…?」
大野さんは俺の手から缶を受け取って、テーブルの上に置いた。
カコンと缶が小さく音を立てた。
大野さんのさっきからの異様な態度は…
俺の裸を見たから…だよねえ…?
それにさっき、可愛いって。
俺のこと、可愛いって言ったよね?
申し訳ない気持ちと、そして不思議な気持ちと。
今まで少しでも女扱いされたり、可愛いとか言われたりすると凹んだり腹が立ったりしてたのに。
大野さんに言われると、嬉しいと感じた自分がいることに気づいた。
「あの…さ。さっき言った、可愛いって…」
ばっと大野さんは俺を振り返った。
顔が真っ赤になってた。
耳まで赤くなってる。
「ごめん!嫌だよな!?」
ってことは…
あれは大野さんの本心だったの…?
「いや…ぜんぜん」
「へ…?」