第18章 こちら、アラシノ引越センター!
連行されるように居間まで連れて行かれて。
どすんと真新しいシーツに変えられたベッドに座らされて。
大野さんは居間を出ていくと、外に出ていったようだった。
洗濯機を回しに行ったみたい。
すぐに戻ってくると、俺を見て気まずそうな顔をした。
「は、早く服着ろよ…」
「うん…?」
パジャマ代わりに借りてる服を着てたら、洗面所からドライヤーを持ってきてくれて、そのまま居間のテーブルにビールの缶を二本置いてくれた。
大野さんもまだ髪が濡れてた。
「大野さん、髪」
「ああ…俺はいい…」
「ダメ」
「いいのに…」
ベッドの下のカーペットに座ったから、ベッドの上に座りながら後ろからドライヤーをかけてあげた。
「くすぐったい…」
いつもはそんなこと言わないのに。
今日はくすぐったがって、くねくねしてる。
どうしたんだろ…?
終いにはごまかすようにビールを飲みだした。
俺も早く飲みたくて、大野さんの髪を乾かしたら、自分のは適当に乾かしてビールの缶を手に取った。
「上から失礼しまーす」
ベッドの上から缶を開けて大野さんのほうに差し出した。
「おう…」
まだカーペットに座ったままの大野さんは、上半身をこっちに向けて乾杯してくれた。
「乾杯!」
「乾杯」
さっきも少し飲んだけど、このビールは格別に旨かった。