第18章 こちら、アラシノ引越センター!
「悪かった…掃除、してたから」
バスタオルを手渡すと、ニノはニッコリ笑った。
「ごめんね。俺がしなきゃいけないのに」
「いや、おまえのせいじゃないから。いいって」
そう言うと、ニノはまたニッコリ笑った。
「ありがとうね。大野さん」
濡れた髪から、ぽたぽたと雫が落ちてる。
その雫がとても綺麗で。
思わずぼけっと見惚れてしまう。
「あ、ごめん。床濡らしちゃった」
「ああ…拭いとくから、早く身体拭けよ」
「うん。ごめん」
ぱたんとお風呂のドアが閉まって、床にはニノの水たまりが残った。
…なんで、ニノのものは全部綺麗に見えるんだろう。
俺と同じ男なのに。
なんならアレだって俺よりも男らしかったぞ…
それなのになんで、可愛いって思うんだろう。
雑巾代わりにしてるタオルを洗面台の下から出してきて、そのちいさなニノの水たまりを拭き取った。
「ニノ」
「んー?」
ドア一枚を隔てているだけだから、声はすぐに届いた。
「身体、どっか痛いとこないか?」
「うん…まあ、大丈夫だよ?左の拳が一番痛い…」
「ぶ…初めて人、ぶん殴った?」
「多分…小さい頃はわかんないけど…」
「…よくやったよ、おまえ」
「え…?」