第18章 こちら、アラシノ引越センター!
☆O☆
可愛いと、思った
涙を目にいっぱい溜めて、紅潮した頬で俺を見下ろしている。
「だから…行かないで?」
三和土に降りてくると、ぎゅっと俺に抱きついてきた。
「ニノ…」
ありえないほど心臓がバクバク鳴ってる。
悟られないよう、ちょっと体を離そうとしたけど、余計に密着されてダメだった。
「大野さん…行かないで…」
俺の胸で震えてるニノを可愛いって思うけど、これ以上触れていいのかもわからなくて。
だって、ニノは藤島にキスなんかされて…
絶対に武井のこと思い出したし、自分のこと嫌になってるはずだ。
「い…行かないから…な?だから…離して…」
それなのに、ニノは頭を横にぶんぶんと振ると、更に抱きつく腕に力を入れた。
「ニノ…」
抱きついたままニノは顔を上げた。
至近距離で、目が合った。
榛色の透明な目が、俺のことじっと見てる。
「大野さん…」
可愛いと、心が叫んだ。
こんなん言っちゃだめだけど…ニノに変な気持ちが湧いてしまっても仕方ない…
なんて思っていたら、ニノの顔が近づいてきて。
唇にあったかくて柔らかい感触がした。
「……?」
一体、なにが起こっているのかわからなかった。
ニノの顔が少し離れて、また俺たちは目が合った。
「しょう…どく、して…?」