第18章 こちら、アラシノ引越センター!
「ニノは…」
「ん?」
「あ、いや…あまり詳しくは言えないんですけど…」
「うん?」
「多分、そういう話。嫌がると思います」
「…そうなの?」
「だから…なるべくなら、誂わないでやってください」
ロッカー室の中が、しんとしてしまった。
「おーちゃん…」
「俺は気にしないから、全然大丈夫です」
「そっかあ。わかったよ!」
「ありがとうございます」
「なんか、おーちゃん、いい男だね?」
「ぶふぉおっ…」
「でもさ、そのおーちゃんの…」
大野さんが噴き出したあたりで聞いていらんなくなった。
ガチャっとわざと大きな音を立てて、ロッカー室に入った。
「あ、ニノちゃんじゃん。おはよー」
「稲葉さん、おはようございます」
「今日から事務所なんだって?」
「はい。北島さんの代わりに暫くの間…」
「頑張ってね。今なら件数が少ないから覚えられると思うから」
「ありがとうございます」
ふと大野さんを見たら、目の周りを真っ赤にしてこっちを見てる。
これ、すんごい照れたときの顔じゃん。
「な、なに…?」
「いや、何でもねえ」
ぷいっと横を向くと、ロッカーを開けて着替え始めた。
俺もなんだかいたたまれなくなって、さっさとロッカーの荷物を移動させた。