第18章 こちら、アラシノ引越センター!
☆O☆
「俺が?」
「そ…北島が繁忙期に腰やっちまってな。いつまで経っても治らないから病院に行ったら、手術することになったんだ。二宮暫くでいいから事務所に入んない?正社員はあれだろうから契約社員に格上げするし」
「でも俺、就職活動が…」
「それはじゅーぶんわかってる!そこを曲げて…北島が復帰するまでお願いできないか?今、移動の時期でどうしても他の支社からの応援も頼めないんだ」
「いやでも、北島さんの代わりって言ったら配車でしょう?俺なんかができるわけ…」
「西川さんの推薦なんだ」
カウンター越しに徳川さんがニッコリ笑った。
隣に立っている武蔵さんも笑顔だ。
「だれか現場の社員からって相談したんだけど、出てきたのは二宮の名前でさ」
「そ、そんな…」
ニノがどうしようって顔して俺のこと見た。
なんにも考えずにこくりと頷くと、ニノはうーんと考えた。
「西川さんが感心してたんだよ。二宮は現場全ての動きが頭に入ってて、どうしたら最短距離で仕事が終わるかまで考えてるって」
「え…そんなの皆してることじゃないんですか?」
武蔵さんが、肩を竦めた。
「残念ながらそうじゃねえんだな、ニノ」
その通りだ。
事実、俺は考えてない。
つか、いつの間にニノのことニノって呼ぶようになったんだ、武蔵さん。
「そうだな。全員がそういう風に俯瞰で見て仕事できるわけじゃあないんだよ」
「……俺、でしゃばってましたか?」
ニノが深刻な顔で聞くと、ふたりはブンブンと首を横に振った。
「違うから!それはだから能力の差なんだよ」
「そ、そ。だからニノに配車業務覚えてもらおうって話になったんだから」