第18章 こちら、アラシノ引越センター!
そう一気に喋ると、大野さんは黙り込んでしまった。
元々口数の多いほうじゃない。
考えることが多いと、黙ってしまう人だから。
俺は大野さんが答えを出すまで、ゆっくりと待った。
じっと大野さんは自分の手のひらを見ながら考えてた。
5分ほど黙っていただろうか。
不意に大野さんが顔を上げたかと思うと、俺の頭から被ってるバスタオルを取った。
「まだ、乾かしてなかったな」
「あ、うん…」
「俺が乾かしてやる」
「え、いいよ」
「いいや。この髪型のお礼はさせてもらわないとな」
「ええー…いいよそんな…」
そう言ったのに、ベッドの上に放り出したままになってたドライヤーを大野さんは掴んだ。
止める間もなく俺の背後に回って、ドライヤーが轟々と音を出したから諦めるしかなかった。
…結構いい案だと思ったんだけどな…
大野さん、やっぱり嫌なんだろうか。
俺もいろいろと想像してみたけど。
これが一番いい気がするんだよね。
まずはご家族の誤解を解いて。
それから名誉毀損の訴訟に移るっていう。
ご家族の証言も必要になってくると思うし、会社の人たちの証言も必要になってくる。
その第一歩を、俺にも手伝いさせてほしいなって。
ずっと考えてたんだ。