第18章 こちら、アラシノ引越センター!
ニノの姉ちゃんにもそれは勧められたけど…
いかんせん、面倒くさくて。
とりあえず、貯金を取り返す方に力を入れてもらってる。
「でもさ…大野さん。実家に帰ってないんでしょ?」
「うん」
「それに、さ。これから再就職しても、どこでDVのこと知ってる人に会うかわからないんだよ?名誉を回復しておかないと、これから家族になる人にだって迷惑かけるかもしれない」
それは、ニノの姉ちゃんにも言われた。
考えないわけじゃないんだけど…
今、身近にそういう人がいないから、現実的に考えることもできなくて。
「そりゃ、そうだけど…」
「大丈夫だよ。お金は姉ちゃんがぶんどるから、裁判費用はそこから出せばいいし」
「ぶんどる…」
「俺も、武井から…ぶんどる」
「ニノ…」
ニノはやっと少し顔色の戻った頬で笑ってくれた。
「ここまでやれたんだから、だから一緒に頑張らない?」
よかった。
ニノ、笑ってる。
「なに笑ってんの?」
「いいや…ニノが笑ってんなと思って…」
「え?変な顔してた?」
「ちげえよ…」
変な顔どころか、可愛い顔してんだ。
でもこんなこと言ったら、気持ち悪って思われるだろうから、言えねえけど。