第18章 こちら、アラシノ引越センター!
「ふふ…」
それが…どうして今はもう、こんな仲になってしまったのか。
『そんないい証拠あるんだったら、徹底的にやってやればいい!…俺も…俺も頑張るからさっ…』
それは、きっと…
ニノが目を覚ましたときに言ってくれた、俺への発破がけの言葉のせい。
「ニノのせいだぁ…」
「なにがよ?」
「あら」
ベッドに持たれかけてた頭を持ち上げると、ユニットバスのドアの前にニノが立っていた。
もうスエットを着こんでる。
「早かったね?」
俺を一瞥すると、頭からバスタオルを被り直した。
「ちゃんと温まったの?」
「…うん…」
いつも長風呂だから、まだだろうと思ったのにもう上がってきた。
「なんだよ、湯船に入らなかったの?」
「入ったけど…」
「けど?」
「目と鼻が腫れて、苦しくて入ってらんなくなった」
「ちょ…まさかまだ泣いてたの?」
ぶんぶんと頭を強く振った。
「ちがう。もう泣いてない」
「そっか…よかった…」
ドドドとキッチンの板の間を走って、カーペットの敷いてあるリビングまで走ってきた。
キッチンとリビングの境目にあるガラス戸が、ガタガタと音を立てた。
「おい、もうちょっと静かに…」
「ごめん!」
そして俺の隣にどかっと腰を下ろした。
「まだ髪の毛乾かしてないの?」
「ああ…忘れてた」
「じゃあ乾かしてあげる」
「へ?いいよ別に…こんなんすぐ乾くだろ」
「俺も乾かすからついで!」
「え…ついで…?」
「ほら!ちょっと前に行って!」
無理やりベッドから体を離して座らされて。
ベッドにニノが腰掛けて、洗面所から持ってきたドライヤーのスイッチを入れた。