第18章 こちら、アラシノ引越センター!
俺のロッカーに居た子猫と、稲葉さんが見つけてニノのロッカーから救い出してくれた子猫だ。
この子たちは、本当に俺たちの嫌がらせのためだけに藤島さんに捕まえられてきた、野生の子たちだったそうだ。
ホント嫌がらせするためなら、何だってできる人って居るんだな…
ま、俺の元嫁と間男もそういう人間だったんだけどな…
俺のロッカーに居たのがふわふわのグレーの長毛の子。
ニノのロッカーに居たのが黒猫の子。
そのうちの黒猫が児島さんの家に引き取られたんだ。
「なまこちゃ~ん♡な?かわいいだろ?なまこちゃん」
「か、かわいいっす…」
いや猫はかわいいけど、そのネーミングどうしたよ。
「なになに?盛り上がってんじゃーん?」
休憩室のドアを開けたニコニコ顔は、稲葉さんだった。
「あ!稲葉さん!昨日のすみれちゃんの動画見せて?」
「もお…わかったよ…仕方ないなあ」
稲葉さんもデレデレとニノにスマホを見せた。
この人にとってニノは息子ってほどの年じゃないはずなんだが、とにかく謎にメロメロなんだよなあ。
毎日すみれちゃんの動画撮って見せてるもん…
あ、見せてなくても撮ってるのか。
それが猫教…
あ、すみれちゃんとはグレーの長毛の猫のことだ。
「もお、数日見てないだけで寂しくなっちゃうよ!」
「でしょお?すみれちゃんは一番可愛いからな!」
「なまこちゃんもかわいいでしょうが!?」
「いーや、すみれちゃんのほうがかわいい!」
「なまこちゃんが、一番かわいいってばよ!」
「うるさいよ、大島さん」
「いや、児島だよ!」