第18章 こちら、アラシノ引越センター!
そう、彼らは昨年末からバイトに来ていて、ここ数日ちょっとお休みをしていた。
「すいません。こんな時間に事務所来てしまって…」
二宮くんが申し訳無さそうに、菓子の差し入れを差し出した。
「これ、大野さんと俺から…すいません、繁忙期なのにおやすみ貰っちゃって…」
「いいって。バイトなんだし、休みはちゃんと申請してくれてるから、問題ないよ」
北島さんが、カウンター越しに元気なく答えている。
今日は徳川さんも武蔵さんもいないから、北島さんが実質事務所を取り仕切っててグロッキーになってるのだ。
「明日のシフトはこれね」
「はい、ありがとうございます」
大野くんと二宮くんは、額を突き合わせシフト表を覗き込んでる。
「ところで…どうなってんの?その…」
北島さんが小さな声で聞くと、二宮くんはぱっと顔をあげた。
「藤島さんたちとの示談は済みそうですけど、前の職場の件はまだ長引きそうです」
そう。
二宮くんは、年末の事件を起こした人たちを民事で訴えるということでいろいろ動いていたのだ。
そして、前職でもあった襲撃事件に関しても、同じ手続きをしていると聞いている。
ここ数日は、その件でお休みしていた。
「へえ…藤島たちと示談成立しそうなんだ。ほんと、よかった」
「ええ。あの節は本当にありがとうございました。また詳しい話は、示談が成立したら、正式に弁護士と一緒に来ますので…」
「ああ、わかったよ。支社長に伝えておく。で、大野くんの方は?」
大野くんは照れくさそうに頭を掻くと、もじもじとしてる。