第18章 こちら、アラシノ引越センター!
「ニノ……」
「うん……」
「ニノぉ…」
「うん……」
だんだん、大野さんの顔が泣き顔に変わって。
「よかった…ニノ、帰ってきた…」
「大野さん…」
看護師さんが入ってくる頃には、大野さんの顔はびしゃびしゃに涙で濡れていた。
「今、先生呼びますから…」
看護師さんが焦って俺の機械を確認しながら、携帯電話を操作している。
大野さんは鼻水まで出てきて、もうどうしていいかわからなくなってる。
「あの…そこにティッシュの箱あるみたいだから…使って?」
「あ…うん…ごめん…」
ぶぶーっと鼻を盛大にかむと、「ニノの姉ちゃんに連絡してくる!」と顔を真赤にしながら病室を出ていった。
照れちゃったのかな…?
「二宮さん、今、先生来ますからねー」
「あ、はい……」
ちょっと疲れて、目を閉じた。
そういえば姉ちゃん、大野さんに電話番号教えたんだな。
なんか…家族みたい。
そう思ってたら、寝ちゃったみたくて。
次に起きたら、病室の中には家族全員が勢ぞろいしてた。
「あ…おはよ…」
「おはよじゃないわよ!せっかく大野くんが連絡くれたのに…!」
「え…?」
いきなり姉ちゃんに怒鳴りつけられて、どうしていいかわからなかった。
「和也…」
母さんが涙ぐみながら、俺の頭を撫でてくれた。