第18章 こちら、アラシノ引越センター!
「コンビニの店員さんが通報してくれてたからよかったものの…」
姉ちゃんの呆れた声が聞こえた。
「初動が遅くなってしまって申し訳有りません」
武蔵さんが謝ってる。
なんか申し訳ない気持ちになったけど…
でもこれってもしかして、引越センターの作業員の人に俺、なんかされたってことなの?
どうしても思い出せない。
「現在、ハンニンは任意で警察に事情を聞かれているようですよ。うちの弟にも事情を聞きたいと警察が来たけど、この通りですから。後のことはわかりません」
切って捨てるような言い方…姉ちゃん、怒ってるみたい。
ハンニンって言葉に、相当ちから込めて皮肉ってる。
よくわからないけど、俺の件なのだとしたらまだ容疑者であって犯人じゃない気がするんだけど…
そんなこと突っ込んだら、百倍返しされそうな勢いだ。
「警察から他に話はありましたか?」
「いいえ。まだハンニンが口を割らないそうですから」
「そうですか…では、我々で作業員に聞き取ったことをまず、ご報告させていただきます。これはすでに警察には提出してあります」
姉ちゃんはまたすごい勢いで怒った。
どうしてそれをすぐ家族に言わなかったのだと。
「年末で聞き取りに時間が掛かったことと、社内でも刑事事件に発展する恐れがあるので慎重に証拠を保全したりしておりました。遅くなりましたこと大変申し訳なく思っております」
本部長と呼ばれる人がしっかりとした口調で言った。