第18章 こちら、アラシノ引越センター!
多分だけど、数日はそうやって過ごしていたと思う。
俺のこれは意識を失っているっていう状態なんだろう。
おかしなことに意識を失っているのに、深く眠っている時間もあった。
だけど、カレンダーも時計も見られないから、本当に時間の経過がよくわからなかった。
それでも、目を開けることすらできなかった。
気持ちばかりが焦って仕方なかった。
病室には母さんと姉ちゃんが入れ替わり立ち替わり出入りしていて。
このまま目を覚まさないようなら、実家近くの病院へ転院させようかとか話してるのが聞こえた。
最初の日に支社長と大野さんが来てた。
そして母さんと姉ちゃんの会話から、どうやらここはバイト先であるアラシノ引越センターの東京西支社の近くの病院なんであろうということは推測できた。
俺の実家は東京23区の東の端っこだから、ここまで通うのは大変だよなあ…
でも転院するのも大変だそうで、俺は頭を打って意識を失っているから医師の許可が降りないということも会話の中で知った。
「どうしようね…お母さん…」
「そうねえ。まーちゃん…」
母さんと姉ちゃんが途方に暮れていると、来客があった。
副支社長の武蔵さんと知らない声のひと…
その人は引越センターの関東本部長だと名乗った。
俺の会ったことのない、偉い人だ。
「今回はこのようなことになり、大変申し訳ございません」
本部長はお見舞いの品も持って謝罪にきてくれたということだった。
そして警察との話がどうなっているのかって…
え?警察…?