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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第1章 仄暗い奈落の底から -sequel -


俺と智の出せる金じゃ、二週間が限度だった。

それでも、翔ちゃんが何に悩んでいるのか、どうしても俺たちは知りたかった。

そう…どうしても…
知る必要が、あった。


だって、俺たちは…


祈るように調査結果を待っている間、潤と雅紀が智の誕生会をしようって言ってきた。
あまり乗り気じゃなかったけど、俺も智も息が詰まりそうだったから、行くことにしたんだ。

翔ちゃんは…やっぱり居なかったけど。

「よお!ニノ!智!」

先着していた潤が、相変わらず優しい笑顔を見せてくれた。

「今日は雅紀遅れてくるから…」
「うん、聞いてるよ」
「俺の誕生日の分も飲むぜ?」
「存分にどーぞ…」

去年の潤の誕生会から…5人で集まることはなくなってて。
翔ちゃんが忙しいからって、4人でも集まったり集まらなかったり。
今年の潤の誕生日は、ついに何もなかった。

去年の潤の誕生会と同じ場所。
半個室の居酒屋で、俺達は集まった。

いつものようにビールで乾杯して、いつものように喋った。

あの頃と何も変わらない…

変わったのは、ここには翔ちゃんはこないってことだけ。

それと…

「あのさ…翔くんは…元気なの?」

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