• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第1章 仄暗い奈落の底から -sequel -


「調査して欲しいのは、この人です…」

中学時代の卒業アルバムやらクラス名簿、仲間内で撮ったスナップ写真を用意しておいた。

「櫻井、翔と言います…」

由美さんは、俺たちに断ると写真を手に取った。

「どういったご関係の方でしょうか」
「俺達の幼馴染です」


本当に小さな頃から…一緒だった…

いつから一緒だったかなんて記憶がないくらい。
気がついたら、俺達は一緒に居たんだ。

こんな小さな商店街で、子供の数は当時から少なくなってた。
周りは大人ばかり。
どんどん居なくなっていく商店街の馴染みの顔。
俺んちみたいな子供向けの店や智の家みたいな老舗以外は、入れ代わり立ち代わり経営者も変わっていった。

それでも大きな寺の門前町だから、観光客や檀家なんかで賑わう。
近くにあるビジネス街のサラリーマンやOLが忙しなく行き交う。
そんな騒がしい街。

だからこそ、俺たちの結束は強くて。

「幼馴染…さんですか…」
「彼には、悩みがあるみたいなんです。それも深刻な…」
「と、いいますと?」
「面変わりするほど、窶れてしまって…でも俺たちには言わないんです…どうしてそうなってしまったか」

由美さんは写真に目を落とした。

「その原因を、調査すればよろしいんですね?」

/ 831ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp