第18章 こちら、アラシノ引越センター!
急に我に返ったのか、二人同時に喚き始めた。
「うるせえ!黙れ!」
武蔵さんは無視して、二人の胸ぐらを両手で掴んだ。
二人を乱暴に起こすと、他人にそんなに顔近づけられるのかっていうくらい近くで二人を睨みつけた。
「どういうことだ!?」
俺はまだ事情はなんにも察することができなかったけど、武蔵さんはなんらかの確信を持っているようだった。
「あいつがっ…こいつがあいつをっ…」
「違うっ…違います!この人が突き飛ばしてっ…」
二人は揃って駅の方向を指してる。
「ニノ…」
嫌な予感がした。
「あっ…大野くんっ!?」
止まっていられなかった。
足が勝手に動き出して、止めることなんてできなかった。
「ニノーーーーっ!」
アイツらが走ってきた方向を逆走しながら、知らないうちにニノの名前を叫んでた。
「あっ…」
ちょっと走ったところにあるバス停の向こう。
道端にちょっと広がっている草地の中に足が見えた。
あのスニーカー…
「ニノっ…」
バス停を越えて駆け寄ると、草地はちょうど人が一人寝転がれるほどの広さで。
その中にニノがリュックを背負ったまま倒れているのが見えた。
「武蔵さんっ…いたっ…ニノがっ…」
大きな声で叫ぶと、ニノを助け起こそうとした。
「あ…」
蒼白な顔と…
頭から血が流れているのが見えた。
「救急車っ…!」
後ろから武蔵さんが叫ぶ声が聞こえた。
急激に頭に血が昇って行くのを感じた。