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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第18章 こちら、アラシノ引越センター!




『えっと、新卒の…二宮くん?』
『はい!よろしくお願いします!』


あれは…
前に居た会社に入った頃の俺。



『そう!可愛い子が入ったなあ…俺、教育係の武井。よろしくね』

そう言って、武井さんは手を差し出した。

『か…かわいいって…俺、男です』
『わかってるよ!そういうとこ、ますますかわいいなあ』

え…
嫌だって意思表示したつもりなんだけどな。

『…よろしくお願いします』

仕方なく、差し出された手を握った。

『ああ。なんでもわからないことは俺に聞いてね?』

そう言うと笑顔を引っ込めて、握手したまま真顔で俺の顔を見つめた。

『……?なんですか…?』

振り払おうとしたけど、すごい力で握られていてできなかった。

『あのっ…』
『ごめんごめん。さ、まずはこの書類に記入してもらえる?』
『あ、はい……』
『わ!左利きなんだ!珍しいね!』
『そ、そうですか…?』



思えば、あの時から…
始まってたのかもしれない。



『武井さん、ちょっと効果の付け方を相談したいんですけど…』
『ああ、これはグラデーション掛けて貰える?』
『え…?でも…』
『なに?もしかしてグラデーションの掛け方もわからないの?』

あれは確か…
研修期間が終了し、初めて任された仕事だった。
教育係の武井さんに相談しながら進めるように、主任から言われているのに。

タブレットで画像を見せた途端、頭ごなしの指示。
暫く思考がすっとんでいった。

社会人って…こんなものなの…?

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