第18章 こちら、アラシノ引越センター!
ロッカーの鍵を開けようとしたら、すんなりと開いてしまった。
「あれ…鍵しめわすれたかな…」
そう思って扉を開くと、奥に見慣れない紙袋が置いてあった。
「ん…?なんだこれ」
「おーちゃん、どしたの?」
「あ…いえ、なんかロッカーに入ってて…」
ここのロッカーは鍵が掛けられるようになってる。
作業員は全員同じロッカールームを使用するようになってるが、バイトのロッカーは使い古されたものだから大きく揺らすと鍵が開いてしまうものもあった。
誰か間違えて開けちゃったのかな?
「ちょっと見せて!」
稲葉さんが素早く立ち上がると、俺のロッカーを開いた。
「あの…稲葉さん…」
「しーっ…」
思わず息を止めて黙ると、稲葉さんが紙袋を見つめながらしゃがみこんで静止した。
暫く黙っていると、かすかに物音が聴こえた。
「え…?」
「ちょっと、まさか…」
稲葉さんが紙袋を取り出すと、上の口がガムテープでガチガチにされていた。
慎重に目線の高さまで持ち上げると、紙袋に稲葉さんは耳を当てた。
「猫!猫がいる!」
「えっ…?!」
急いでガムテープをカッターで切って、中を開くと子猫が紙袋のなかでぐったりと横たわっていた。
「…おーちゃん、武蔵さん呼んできて」
「えっ…あっ…ハイ!」